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ブルクハルトのイタリア・ルネサンスの文化の思考の枠組み

## ブルクハルトのイタリア・ルネサンスの文化の思考の枠組み

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近代の発見

ブルクハルトは、イタリア・ルネサンスを「中世」と「近代」の断絶点と捉え、「近代」という新しい時代区分を創出した歴史家の一人とされています。彼は、ルネサンス期に古代ギリシャ・ローマ文化が復興しただけでなく、「個」の発見や自我の解放といった、近代社会の萌芽が見られたと考えました。

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個人の解放と発展

ブルクハルトは、中世においては個人は共同体の一部として埋没していたのに対し、ルネサンス期になると個人が解放され、その能力や才能を自由に発揮するようになったと主張しました。彼は、芸術家や思想家たちの作品や活動を通して、この「個人の発見」を読み解こうとしました。

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国家と政治

ブルクハルトは、ルネサンス期イタリアの政治状況にも注目しました。彼は、当時のイタリアは小国家に分裂し、君主や教皇による権力闘争が繰り広げられていたことを指摘しました。そして、このような政治状況が、個人の能力や野心を刺激し、芸術や文化の発展を促した側面があると論じました。

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文化史的方法

ブルクハルトは、政治や経済だけでなく、芸術、文学、思想といった文化現象に注目することで、ルネサンスという時代の本質を捉えようとしました。彼は、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチといった芸術家の作品、マキャベリの『君主論』などの文献を分析することで、当時の社会や文化、人間像を描き出そうとしたのです。

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主観的な歴史記述

ブルクハルトの歴史記述は、客観的な事実の羅列ではなく、彼自身の主観や解釈に基づいたものでした。彼は、ルネサンスという時代に対する共感や愛情を抱きながら、当時の文化や人間像を生き生きと描写しました。

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