マクベスとバンクォーと魔女たち画: マクベスと魔女たち(シェイクスピア『マクベス』より)

マクベス

ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)。イングランドの劇作家。本作は1600年代初頭に書かれた、四大悲劇の中でも最も短く、最も速く破滅へ向かう作品。

一言での本質

魔女に「お前は王になる」と予言された武将が、その一言に火をつけられ、王を殺し、王座を守るために殺し続け、自滅する——だがこの悲劇の本当の主役は剣ではなく「想像力」だ。まだ起きていない未来を生々しく思い描く力が、一人の有能な男を内側から食い尽くす過程を描いている。

この作品の背景

「マクベス」は1600年代初頭に書かれた悲劇である。スコットランドの勇敢な武将マクベスは、戦の帰り道、荒野で三人の魔女に出会う。魔女は彼に「いずれ王になる」と予言する。その予言が、彼の心の奥に眠っていた野心に火をつける。

妻のマクベス夫人に背中を押され、マクベスは城に泊まった王ダンカンを殺し、王位を奪う。だが一つの殺人は終わりではなく始まりだった。王座を守るため、彼は疑わしい者を次々と殺していく。流した血が、さらなる血を呼ぶ。やがて夫妻は罪の意識と恐怖に蝕まれ、夫人は狂って死に、マクベス自身も討たれて、短くも凄絶な破滅を遂げる。

物語の構造

  1. 予言戦の帰り、荒野で三人の魔女がマクベスに「お前は王になる」と予言する。その一言が、彼の中の野心を呼び覚ます。
  2. 決行マクベス夫人に唆され、迷いながらも、城に泊まった王ダンカンを殺して王位を奪う。
  3. 血が血を呼ぶ王座を守るため、彼は疑いの目を向けた友バンクォーら、次々と人を殺していく。一つの罪が、止まらない連鎖を生む。
  4. 崩壊罪の意識に蝕まれ、マクベス夫人は手についた血の幻覚に苦しんで狂い、死ぬ。マクベスも人間性を失い、空虚な暴君と化す。
  5. 破滅魔女の予言の言葉の裏をかかれる形で、マクベスは追い詰められ討たれる。野心に始まった物語は、虚無の独白とともに閉じる。

現代の働く人への示唆 解釈

マクベスを破滅させたのは、魔女でも妻でもなく、彼自身の想像力である。魔女はただ「王になる」と言っただけだ。その一言から、王殺しの場面、王座、その先の恐怖までを、生々しく思い描いてしまうのはマクベス自身だ。彼は有能で勇敢だが、まだ起きていない未来を鮮明に想像する力が強すぎた。その力が、予言を欲望に変え、欲望を行動に変えた。

この悲劇の速さは異常だ。四大悲劇で最も短く、予言から破滅まで一気に転がり落ちる。【解釈】それは、罪が罪を呼ぶ連鎖が、いったん始まると止まらないからだ。王座を守るための一つ目の殺人が、それを隠すための二つ目を必要とし、際限がなくなる。マクベスは途中で「もう血の川を半分渡ってしまった、引き返すのも進むのも同じだ」と漏らす。最初の一歩が、後戻りを不可能にする。

罪の意識は、夫妻で正反対に現れる。【解釈】決行前は冷静で夫を叱咤したマクベス夫人が、後に手についた(幻の)血を洗い落とそうと夜ごと彷徨い、狂って死ぬ。一方、当初おびえていたマクベスは、殺すほどに感覚が麻痺し、空虚な暴君になる。同じ罪が、一方を狂気へ、一方を虚無へ追いやる。罪は、消えるのではなく、必ず形を変えて心に返ってくる。

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