銀の燭台は何を意味するのか

レ・ミゼラブル(ヴィクトル・ユゴー)の深掘り

物語の冒頭近く、司教がバルジャンに与える銀の燭台。この一つの小道具が、二千ページに及ぶ長編全体を貫く背骨である。なぜこの燭台がそれほど重いのかを解く。

発見1: 燭台は「払えない負債」——一生かけて返す赦しの重さ

司教はバルジャンの盗みを罰さず、嘘をついて庇い、さらに銀の燭台を持たせてこう言う——「これであなたの魂を買い、神に返した」。【解釈】この瞬間、燭台はただの銀ではなくなる。それは、罰の代わりに与えられた「赦し」の物質的な形であり、バルジャンが一生かけて返していく負債になる。彼はその後、何度も自分の正体を隠して安全に生きられる場面で、あえて危険を冒して正しい行いを選ぶ。なぜか。司教の赦しに値する人間であり続けるためだ。燭台は、彼が背負った「赦された者の責任」を、ずっと手元で光らせ続ける。

発見2: 罰では届かなかった魂に、赦しは一瞬で届く

バルジャンは19年の懲罰を受けた。だがそれは彼を更生させるどころか、人間への憎しみで凍らせただけだった。彼を変えたのは、たった一度の、理由のない赦しである。【解釈】ここにユゴーの最も強い主張がある。19年の罰が一ミリも動かせなかった魂を、一度の恩寵が一瞬で作り変えた。罰は人を縮こまらせるが、変えはしない。人を本当に変えるのは、罰の重さではなく、誰かが条件をつけずに「あなたを信じる」と示すことだ。燭台は、罰の論理に対する赦しの論理の勝利の証である。

発見3: 燭台は、最後にバルジャンの死を照らす

物語の最後、年老いたバルジャンが息を引き取る場面で、彼の枕元を照らすのは、あの司教の銀の燭台である。【解釈】物語の最初に受け取った赦しの光が、彼の人生の最後の瞬間まで燃え続けていた。彼の長い生涯——更生し、コゼットを育て、敵を赦した日々——のすべてが、あの一つの燭台から流れ出していたことが、ここで視覚的に確定する。一度の赦しが一人の人間の生涯を丸ごと照らしうるという、この物語の信念が、最後の光景に結晶している。罰の物語として始まったものが、光の物語として閉じる。

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