ガートルードの人物像——彼女は何を知っていたのか

ハムレット(ウィリアム・シェイクスピア)の深掘り

夫の死から二月足らずで義弟と再婚した王妃は、共犯者か、愚かな女か、被害者か。実は戯曲そのものが、この問いに答えられないように作られている。ガートルードという人物の核心は、彼女について「書かれていないこと」の中にある。

発見1: ガートルードには独白が一つもない

この劇の主要人物は、観客にだけ本心を明かす独白を持っている。ハムレットの独白は劇の背骨であり、クローディアスでさえ祈りの場面で罪を告白する(「私の言葉は天に昇るが、心は地に残る」)。ところがガートルードには、一人で本心を語る場面が一度も与えられていない。彼女が殺害を知っていたのか、再婚をどう思っているのか、テキストは入口そのものを閉ざしている。【解釈】これを書き損じと見るべきではない。内面への通路を全員に開いておきながら一人だけ閉じるのは、設計である。観客も、ハムレットも、亡霊も(「母は天に委ねよ」と裁きを保留する)、彼女の内側を見られない。ガートルードの「性格」を断定する読みは、すべて空白への投影である。この空白は、数えても確かめられる。Project Gutenberg掲載の原文を機械的に数えた概算では、ガートルードの台詞は全編で約1,100語。ハムレット(約1万2千語)の10分の1以下、王(約4,400語)やポローニアス(約2,800語)に遠く及ばず、若いオフィーリア(約1,300語)よりも少ない。二人の王の妃で、主人公の母で、ほぼ全幕に関わる中心人物が、台詞の量では脇役以下に絞られている——「書かれていない」ことが設計だという、何よりの物証である。

発見2: 再婚は欲望ではなく、政権の安定化として読める

劇の冒頭、デンマークは戦争準備の真っ只中にある。隣国ノルウェーの若き王子フォーティンブラスが、父の失地を取り返すため兵を集めているからだ。王が急死した国で、王位は選挙で決まり、世継ぎの王子は外国(ヴィッテンベルク)に留学中。この状況で先王の妃が新王と結婚することは、王権の連続性を内外に示す、もっとも速い国家安定化の手段である。【解釈】ハムレットは再婚の「速さ」を性的な堕落として呪うが(「葬式の残り物が婚礼の膳に出た」)、戦時の宮廷において速さこそが目的だったと読めば、ガートルードは情欲の人ではなく、国と地位と息子の将来を守るために最も合理的な一手を打った政治的生存者になる。彼女の罪は欲望ではなく、その一手の代償を見積もらなかったことだ。

発見3: 彼女の唯一の自己決定は、王の命令に背いて杯を飲むことである

ガートルードは劇の全編を通じて、誰かの決定に従って動く。だが最終場、毒入りと知らぬ杯を手にした彼女に、クローディアスは「ガートルード、飲むな」と命じる。彼女の返事は「飲みます、陛下。お許しを」。これは劇中で彼女がクローディアスの言葉に逆らう唯一の瞬間であり、そして彼女はその一口で死ぬ。【解釈】彼女が毒を察して息子の身代わりに飲んだのか、ただ祝杯を上げたかったのかは、例によって確定できない。確かなのは、従順だけで生き延びてきた人物の最初の不服従が、そのまま最期の行為になったという構造である。死に際の彼女は「お酒に、毒が」と叫んで息子に危険を告げる——最後の数秒だけ、彼女は誰の駒でもなく、母として行動して終わる。

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原文を無料で読めます。The Tragedy of Hamlet, Prince of Denmark(Project Gutenberg掲載の英語原文)