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パスカルのパンセの感性

## パスカルのパンセの感性

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不確実性と不安

パスカルの『パンセ』を特徴づける感性として、まず挙げられるのは、人間の存在の不確実性と、それによって生じる不安、恐れ、絶望といった感情への鋭敏な感受性です。パスカルは、人間の理性は有限であり、世界を完全に理解することも、自身の存在の意味を確証することもできないと主張します。

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理性と感情の対比

パスカルは、人間を「考える葦」と表現し、理性の尊さを説きます。しかし同時に、理性だけでは人間を真の幸福に導くことはできず、むしろ不安や苦悩をもたらす側面もあることを指摘します。彼は、理性では捉えきれない人間の感情、特に「心の理由」と呼ぶ直感や信仰の重要性を強調します。

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無限と有限の対比

広大無辺な宇宙の中で、人間の存在はあまりにも小さく、はかないものです。パスカルは、この無限の宇宙と有限の人間の対比を鮮やかに描き出すことで、人間の存在の不安定さと、同時にその尊さを浮き彫りにします。

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悲惨と偉大さの併存

パスカルは、人間存在の悲惨さを容赦なく描き出す一方で、理性や思考能力を持つ人間の偉大さをも同時に強調します。彼は、人間は矛盾に満ちた存在であり、悲惨さと偉大さを併せ持つ存在であると捉えていました。

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神への渇望

パスカルは、人間には生まれながらにして神を希求する心があると述べています。彼は、理性の限界を自覚し、不安や迷いにさいなまれる人間にとって、神への信仰こそが唯一の慰めとなると考えました。

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