定義

「どうせ無理」は性格ではなく、環境が教え込んだ学習の成果だ。

会議で誰も手を挙げない。子どもは宿題を開く前に「どうせできない」とつぶやく。怠けに見えますが、彼らの多くは以前は提案し、手を挙げていました。特定の場所で、途中から挑戦をやめたのです。場所を選び、途中から始まったものは性格ではありません。その場所で「無駄だ」と学習された、結論なのです。

由来の実験では、何をしても不快な刺激を止められなかった犬は、翌日、仕切りを越えれば逃げられる部屋に移されても、座り込んだまま動きませんでした。つらさの量ではなく、「自分の行動では結果を変えられない」という経験の構造が、挑戦をやめさせるのです。理由のない却下や裁量のない仕事は、職場で同じ装置として働きます。

回復の原理は、言葉で説得せず、体験で学び直すこと。ほぼ確実に結果が出る小さな課題を本人に決めさせ、結果が変わった瞬間に「あなたがこうしたから、こうなった」と因果を指さします。予防には、どんな仕事にも本人が決められる部分を残し、却下には必ず理由と再挑戦の道を付けることです。

この概念の論点

14節
  1. 「どうせ無理」は、性格ではない
  2. 逃げられる部屋で、犬はなぜ動かなかったのか
  3. 学習されたのは、「やっても変わらない」という世界観
  4. 職場の無力感は、こうして作られる
  5. 家庭と勉強でも、同じことが起きる
  6. 怠けと無力感を、見分ける
  7. 回復の一歩目——小さな「変えられた」を設計する
  8. 回復の二歩目——変わった瞬間を、一緒に目撃する
  9. 予防——「変えられる部分」を必ず残す
  10. 「私は何をやってもダメ」を、点検する
  11. 物言わぬ職場は、こうして出来上がる
  12. 学習性無力感の、よくある間違い
  13. 明日、やる三つのこと
  14. まるごと実践——ある営業課長の三週間