定義

「この子は伸びる」と思われた子が、実際に伸びてしまう。

ある実験で、教師に「この子たちは伸びる」と伝えられた子どもは、無作為に選ばれたにもかかわらず、実際に成績が伸びました。教師が意識せずに、その子たちへの接し方を変えていたからです。

期待は、ほめ言葉よりも細部に出ます。答えを待つ時間の長さ、間違えたときの表情、任せる課題の難しさ。期待されている人は挑戦の機会を多く与えられ、その経験がまた実力を作ります。

逆向きの力もあります。「どうせできない」という見立ては、同じ経路で相手を縮ませます。部下や子どもの伸び悩みを見たら、本人の能力の前に、周囲の期待の設定を疑ってみる価値があります。

本書で扱う内容

14節
  1. 「どうせ」と「きっと」は、現実になる
  2. でたらめの名簿が、本物になった実験
  3. 期待は、接し方に漏れる
  4. かけられた期待は、自己像になる
  5. 低い期待は、口に出さなくても伝わる
  6. 家庭の中の、小さな予言たち
  7. 職場では、機会が期待に沿って配られる
  8. 期待は、結果ではなく過程にかける
  9. 信じて任せ、口を出さずに待つ
  10. 期待とプレッシャーは、別物である
  11. 自分に貼った札も、同じように働く
  12. ピグマリオン効果の、よくある間違い
  13. 明日、やる三つのこと
  14. まるごと実践——ある工務店の、三週間