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マルクスの資本論と時間

マルクスの資本論と時間

時間概念の重要性

マルクスの『資本論』において、時間は単なる物理的な尺度ではなく、資本主義の構造と矛盾を理解するための重要な概念として位置づけられています。マルクスは、資本主義社会における生産、労働、交換、そして搾取といった諸関係が、時間を通してどのように展開されるのかを分析しました。

労働時間と価値

マルクスは、商品の価値はそれを生産するために費やされた社会的必要労働時間で決まると主張しました。つまり、労働時間が価値の尺度となるのです。資本家は労働力を買い取り、労働時間を通して価値を生み出すことを目的とします。

剰余価値の生産と時間

資本主義における搾取の根幹は、労働者が生産する価値と、労働者に支払われる賃金との差額、すなわち剰余価値の生産にあります。マルクスは、労働者が生活に必要な価値を生み出すのに必要な労働時間(必要労働時間)を超えて労働させられることで、剰余価値が生み出されると説明しました。この超過分の労働時間を剰余労働時間と呼びます。

時間と資本の運動

マルクスは、資本主義における生産過程を時間的な視点から分析しました。資本は絶えず運動しており、その運動は時間によって規定されます。生産過程は、資本の循環という時間的なプロセスとして捉えられます。資本家は、まず貨幣資本を投下して労働力や生産手段を購入します。そして、生産過程を経て商品を生産し、それを販売して再び貨幣資本を獲得します。この循環過程は時間をかけて行われ、その過程で剰余価値が生み出されます。

時間と疎外

マルクスは、資本主義の下では、労働者が自身の労働時間に対して疎外されていると主張しました。労働者は、資本家のために労働し、資本家のために時間を費やすことを強いられます。労働者は、自身の労働の成果や労働時間に対するコントロールを失い、時間に対する疎外を感じることになります。

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