## デュマの「王妃マルゴ」の普遍性
愛と欲望
「王妃マルゴ」は、愛と欲望が複雑に絡み合う様子を描いています。 マルゴはギーズ公アンリに激しい恋心を抱きながらも、政略結婚の道具としてナバラ王アンリ（後のアンリ4世）に嫁がされます。 彼女の愛は、ナバラ王への愛憎入り混じった感情、そして、弟たちへの家族愛など、様々な形で表現されます。 このように、愛と欲望が様々な形で交錯する様子は、時代を超えて読者の共感を呼びます。
権力闘争と陰謀
16世紀後半のフランスを舞台とした本作では、カトリックとプロテスタントの対立を背景に、権力を巡る陰謀と裏切りが渦巻きます。 カトリーヌ・ド・メディシスは、息子の王権を維持するため、あらゆる手段を尽くそうとする冷酷な母親として描かれます。 愛や友情よりも、権力や利益を優先する貴族たちの姿は、現代社会にも通じる部分があります。
宗教対立と寛容の精神
「王妃マルゴ」は、サン・バルテルミの虐殺という史実を題材としています。 カトリックとプロテスタントの対立は、多くの犠牲者を生み出しました。 しかし、その一方で、宗教の違いを超えて友情を育む人々の姿も描かれています。 デュマは、宗教対立の愚かさとともに、寛容の精神の大切さを訴えかけています。