定義
同じ6時間なら、前日に1回より、日を空けた3回が長く残る。
試験前夜に徹夜で覚えた10個の用語が、三日後には2個になっている。これは記憶力の異常ではなく、人の頭の標準の動きです。忘れ方には速さの波があり、覚えた直後がいちばん速い。当日の朝に書けた以上、覚える力はあるのです。責めるべきは記憶力ではなく、消えることを計算に入れていない時間割のほうです。
覚えた事柄は、野原に踏み分けた細い道のようなもの。草が伸びかけたころ——忘れかけたころに通り直すと、頭は道筋を探し直し、その手間が道を前より深く踏み固めます。日をまたげば、覚えたことを整理する眠りの夜を何回もはさめる。一方「覚えた感」は勉強した当日が最高になるため、手応えを物差しにすると、人は必ず一夜漬けを選んでしまいます。
基本形は、覚えた日を起点に翌日、三日後、一週間後、試験前。間隔はだんだん広げ、復習は10分から30分で足ります。教材は丁寧な一周より粗い三周。通勤の10分は掘り直しの復習係に、週末の塊は新しい単元に。そして復習日は意志に任せず、先にカレンダーへ書き込むこと。すらすら解けるうちは早すぎる——少し手間取る手応えが、効いている合図です。
この概念の論点
14節- 徹夜の10個は、三日後に2個になる
- 分散学習とは何か——同じ6時間の、置き方を変える
- なぜ分けると残るのか——忘れかけを、掘り直す
- 一夜漬けがだめな、本当の理由
- 間隔の基本形——翌日、三日後、一週間後、試験前
- 試験日からの逆算——残り一ヶ月・一週間・三日
- 教材の回し方——一冊を、三周
- 混ぜる勉強——同じ科目を、続けない
- 忘れかけが、合図——すらすら解けるうちは、早すぎる
- 社会人の分散——通勤10分は、弱点ではない
- 続ける仕組み——復習日は、先にカレンダーへ
- 分散学習の、よくある間違い
- 明日、やる三つのこと
- まるごと実践——ある会社員の一週間