定義

出来事と気分のあいだには、一瞬で作られる解釈の文が挟まっている。

上司からの返信が「了解」の二文字。何とも思わない人と、一晩沈む人がいます。出来事は同じなのに気分が違うのは、あいだに一瞬で作られる「解釈の文」が挟まっているからです。順路は、事実、解釈、気分。ところが中継地点の文は速すぎて見えないため、私たちは出来事が直接気分を作ったように感じてしまうのです。

この文は、頭の中の型がほとんど無意識に出しています。型が一方向に偏っているとき、それを認知の歪みと呼びます。誰にでもあり、疲れた日ほど強く出る。代表は六つ——満点以外を零点にする白か黒か、一度を「いつも」に膨らませる過度の一般化、悪い一点だけ残す心のフィルター、証拠の前に着地する結論の飛躍、定規で裁くべき思考、人格に札を貼るレッテル貼りです。

クセは消す必要がありません。胸がざわっとした瞬間、頭に流れていた文をそのまま紙に書き、六つの名前を照らして横に書く。名前が付いた時点で、文は「事実」から「いつものクセの作文」に格下げされます。仕上げに、反対の証拠、友人になら何と返すか、回数と点数への言い直しで一行書き換える。書くのは気分が動いた日だけ、三行で五分あれば足ります。

この概念の論点

14節
  1. 気分を作るのは、出来事ではない
  2. 考え方のクセは、誰にでもある
  3. クセ① 白か黒か——満点以外は、全部零点
  4. クセ② 過度の一般化——一度が「いつも」に膨らむ
  5. クセ③ 心のフィルター——悪い一点だけが残る
  6. クセ④ 結論の飛躍——読めない心を読み、来ない未来を見る
  7. クセ⑤ べき思考——自分と他人を、定規で裁く
  8. クセ⑥ レッテル貼りと、自分への関連づけ
  9. 見分けの技術——頭の中の文を、紙に書き出す
  10. 書き換えの技術——三つの道具
  11. 続ける仕組み——三行メモは、毎日書かない
  12. 認知の歪みの、よくある間違い
  13. 明日、やる三つのこと
  14. まるごと実践——ある営業の二週間