Skip to content Skip to footer

キケロの友情について

## キケロの友情について

###

構成

キケロの『友情について』は、紀元前44年に執筆された対話篇という形式をとっています。この対話篇は、紀元前129年、ローマの政治家ガイウス・レピドゥスが死去してから16日後の設定で、彼の義理の息子であるガイウス・ファンニウス、クィントゥス・ムキウス・スカエウォラ、そしてガイウス・ラエリウス・サピエンスの3人によって、故レピドゥスの思い出や友情について語られるという構成になっています。

###

登場人物と役割

対話篇は、主に以下の3人の登場人物によって進行します。

* **ガイウス・ラエリウス・サピエンス**: 対話の中心人物。故レピドゥスと非常に親密な友人であり、彼から深い尊敬を受けていました。友情について独自の哲学を持ち合わせており、レピドゥスの死後、彼の息子たちから友情の本質について問われます。
* **ガイウス・ファンニウス**: 故レピドゥスの義理の息子。ラエリウスの話を熱心に聞き、彼から友情の重要性や実践について学びます。
* **クィントゥス・ムキウス・スカエウォラ**: ファンニウスと共にラエリウスの話を聞き、時折質問を投げかけます。

###

対話の展開

対話は、故レピドゥスの思い出話から始まり、自然と友情の話題へと移っていきます。ラエリウスは、友情は高潔な人々の間でのみ成立するものであり、共通の善意と美徳に基づいていると主張します。彼は、真の友情は利害関係や打算を超越したものであるとし、互いの尊敬、信頼、献身によって成り立っていると説きます。

ラエリウスはまた、友情における適切な行動、友情を維持する方法、友情における嫉妬や競争心への対処法など、実践的な側面についても言及します。彼は、友情は人生における最大の喜びの一つであると同時に、困難な時期には支えとなる貴重なものであると結論づけます。

全体を通して、『友情について』は、ラエリウスの視点を通して友情の本質、価値、実践方法を探求していく対話篇となっています。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5