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ユークリッドの原論の仕組み

## ユークリッドの原論の仕組み

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定義、公準、共通概念

ユークリッドの「原論」は、古代ギリシャの数学者ユークリッドによって書かれた、幾何学と数論に関する体系的な著作です。その最大の特徴は、少数の定義、公準、共通概念から出発し、論理的な推論のみによって多くの定理を導き出している点にあります。

「原論」はまず、点や線、平面といった基本的な図形の定義から始まります。続いて、議論の前提となる公準と共通概念が提示されます。公準は幾何学に特有の基本的な仮定であり、例えば「任意の点から任意の点へ直線を引くことができる」といったことが述べられています。一方、共通概念は幾何学に限らずあらゆる学問に共通する一般的な原則であり、「同じものに等しいものは互いに等しい」といったことが述べられています。

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命題と証明

定義、公準、共通概念を土台として、「原論」では数多くの命題が証明されていきます。命題とは、証明されるべき数学的な主張のことです。

「原論」における証明は、厳密な論理に基づいて進められます。まず、証明すべき命題が明確に提示されます。そして、その命題を証明するために、既知の定義、公準、共通概念、あるいはすでに証明済みの命題が利用されます。証明の過程では、論理的な推論のみが許され、直感や経験に基づく推測は一切排除されます。

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構成

「原論」は全13巻から構成されており、それぞれが異なるテーマを扱っています。

* **第1巻~第4巻:** 平面幾何学の基礎。三角形、平行線、面積などについて論じられています。
* **第5巻:** 比と比例の理論。
* **第6巻:** 比と比例の理論を平面図形に応用。
* **第7巻~第9巻:** 数論。素数、最大公約数、最小公倍数などについて論じられています。
* **第10巻:** 無理数の分類。
* **第11巻~第13巻:** 立体幾何学。空間における直線や平面の関係、正多面体などについて論じられています。

「原論」は、後の数学や科学の発展に多大な影響を与えました。その厳密な論理体系は、数学における証明の重要性を明確に示し、その後の数学の厳密化に大きく貢献しました。また、「原論」で展開された幾何学の知識は、建築や天文学など、様々な分野に応用されました。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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