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ウエルズの世界史概観の対極

## ウエルズの世界史概観の対極

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ウエルズの世界史概観の特徴

H.G.ウェルズの『世界史概観』は、1920年に出版された通史です。
網羅的な世界史を平易な文章で記述した本書は、当時のベストセラーとなり、
現代においても広く読まれ続けています。

特徴としては、

* 人類史を一つの物語として捉え、文明の進歩を強調する「進歩史観」に基づいている点
* 西洋史を中心に据えつつも、東洋史にも一定のページ数を割いている点
* 科学の発展を人類史の重要な要素として位置づけている点
などが挙げられます。

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対極に位置する歴史書の特徴 – 多様な視点を重視する –

『世界史概観』の対極に位置する歴史書を考える上で、
まず「進歩史観」への批判が挙げられます。
「進歩史観」は、歴史を一方向的な進歩の過程と捉え、
西洋文明を頂点とみなす傾向を持つという批判が、
20世紀後半以降、特にポストコロニアル理論の台頭とともに強まりました。

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対極に位置する歴史書の特徴 – 個別性の解明に焦点を当てる –

また、『世界史概観』のように、
広大な歴史を一つの物語として描く「巨叙述」に対する批判も存在します。
巨叙述は、歴史の多様性や複雑さを捨象し、
特定の解釈を強いる危険性を孕んでいるという指摘があります。

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対極に位置する歴史書の特徴 – 断片的な記述を重視する –

これらの批判を踏まえ、『世界史概観』の対極に位置する歴史書として、
以下のような特徴を持つものが考えられます。

* 西洋中心主義的な歴史観を脱却し、非西洋世界を独自の価値観や歴史を持つ主体として捉える視点を重視する。
* 歴史における抑圧や搾取、不平等な構造に焦点を当て、従来の「進歩」という概念に疑問を投げかける。
* 網羅的な歴史記述ではなく、特定の地域や時代、テーマに焦点を当て、ミクロな視点から歴史を掘り下げる。
* 歴史を一つの物語として描くのではなく、断片的な情報や複数の解釈を提示することで、読者に歴史解釈の多様性を意識させる。

これらの特徴を持つ歴史書は、
『世界史概観』のように、
一つの明確な歴史観を示すものではなく、
読者に自らの歴史観を問い直すことを迫るものとなるでしょう。

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