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デカルトの方法序説の関連著作

デカルトの方法序説の関連著作

デカルトの方法序説に影響を与えた書物

* **フランシス・ベーコン『ノヴム・オルガヌム』(1620年)**: ベーコンはこの書物の中で、スコラ哲学の権威と偏見を排し、経験と帰納的推論に基づいた新しい科学的方法を提唱しました。デカルトはベーコンの方法を高く評価しており、彼自身の方法序説にもその影響が色濃く反映されています。具体的には、偏見の排除、単純なものから複雑なものへという認識の順序、完全な列挙と段階的な吟味による真理の探求など、ベーコンの思想と共通する点が数多く見られます。

* **ユークリッド『原論』**: 古代ギリシャの数学者ユークリッドによって著された幾何学の体系書。公理と呼ばれる自明の真理から出発し、論理的な推論のみによって複雑な定理を導き出す、演繹的な方法の典型例として知られます。デカルトは明晰判明な真理を土台に、確実な推論によって真なる知識を築き上げようとする点で、ユークリッドの方法を手本としていました。方法序説の中で、「私は、数学者たちが証明に用いるところのあの長い連鎖の推論を、常に心の中に描くように努めた」と述べていることからも、その影響の大きさを窺い知ることができます。

デカルトの方法序説の影響を受けた書物

* **ジョン・ロック『人間悟性論』(1689年)**: イギリス経験論の祖とされるロックは、人間の知識の源泉はすべて経験に由来すると主張しました。これは、理性によって先天的に認識できる真理があると考えたデカルトの立場とは対照的です。しかし、ロックはデカルトの合理的な思考方法や明晰判明な観念の重要性を高く評価しており、彼自身の哲学にも大きな影響を与えました。

* **ゴットフリート・ライプニッツ『人間知性新論』(1704年)**: ドイツの哲学者・数学者であるライプニッツは、デカルトの生得観念説を批判的に継承し、人間の理性は経験を通してのみ活性化される潜在的な観念を有するとしました。また、ライプニッツはデカルトの合理主義とロックの経験論を統合しようと試み、後のヨーロッパ哲学に多大な影響を与えました。

* **アイザック・ニュートン『プリンキピア』(1687年)**: 近代科学の金字塔と称されるこの書物の中で、ニュートンは万有引力の法則や運動の法則を数学的に体系化し、近代物理学の基礎を築きました。ニュートン自身はデカルトの自然哲学の多くを批判的に見ていましたが、数学的推論と経験的観察を重視する彼の科学的方法は、デカルトの影響を強く受けています。

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