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ボッカチオのデカメロンの世界

ボッカチオのデカメロンの世界

黒死病が蔓延するフィレンツェからの逃避

 舞台は14世紀のイタリア、フィレンツェ。ペスト禍が猛威を振るい、街は死の恐怖と混乱に陥っていました。人々の道徳は退廃し、教会の権威も失墜しつつありました。物語は、そんな混乱のさなか、郊外の丘の上の別荘に避難した10人の男女の物語という体裁をとっています。

10人の語り手と10日間の物語

 7人の貴婦人たちと3人の青年貴族からなる10人の若者たちは、退屈しのぎに10日間にわたって、毎日一人一話ずつ、合計100の物語を語り合います。それぞれの語り手は異なる個性と価値観を持ち、それが物語にも色濃く反映されています。

多様な物語世界

 物語の内容は、恋愛譚、喜劇、悲劇、教訓譚など、実に多岐にわたります。時には、聖職者を風刺した滑稽譚や、機知に富んだ騙り物語、官能的な恋愛小説など、当時の社会や人間の欲望を赤裸々に描いたものも含まれます。

当時の社会の現実と人間の姿

 「デカメロン」は、単なる物語集ではなく、ペスト禍という未曾有の危機に直面した人間の心理や、社会の矛盾、そして変わらない人間の欲望を鮮やかに描き出した作品です。皮肉やユーモアを交えながら、当時の世相と人間の真実を浮き彫りにしています。

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