## ジョイスの若い芸術家の肖像の企画書
作品タイトル
作品タイトルは未定
執筆背景
– ジェイムズ・ジョイスは、1882年アイルランドのダブリンに生まれました。
– イエズス会系の学校で教育を受け、その後ダブリンにあるユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで英文学を学びました。
– 学生時代から創作活動を始め、短編小説やエッセイを執筆していました。
– 1902年に大学を卒業後、パリに渡り医学を志しますが、すぐに断念し、文筆活動に専念することを決意します。
– この時期、ジョイスはアイルランドの因習的な社会やカトリック教会に対して、強い反発と幻滅を抱くようになります。
– このような個人的な経験や思想が、後の作品に大きな影響を与えていきます。
構想
– 本作は、アイルランドのダブリンで育った青年スティーブン・デダラスが、芸術家としての自我を形成していく過程を描いた長編小説です。
– デダラスは、ジョイス自身の分身ともいえる存在であり、彼自身の青年期の経験や思想が色濃く反映されています。
– デダラスは、家族、学校、宗教など、アイルランド社会の様々な束縛の中で葛藤しながら、自己の芸術的才能に目覚めていきます。
– 彼は、最終的に、それらの束縛から逃れ、自由を求めてアイルランドを離れる決意をします。
特徴
– 本作は、Bildungsroman（教養小説）の形式をとり、主人公の精神的な成長を丹念に描いています。
– 語り方は、主人公の意識の流れをそのまま描写する「意識の流れ」の手法が用いられています。
– これは、当時の文学においては革新的な試みであり、後の文学に大きな影響を与えました。
– また、本作は、ジョイス自身の自伝的小説としての側面も強く、彼自身の青年期の苦悩や葛藤が赤裸々に描かれています。
備考
– 本作は、当初「スティーブン・ヒーロー」というタイトルで雑誌に連載されていましたが、その後、出版社に拒否され、長らく出版されずにいました。
– その後、何度かの改稿を経て、1916年に「若き芸術家の肖像」として出版されました。
– 本作は、出版後、賛否両論を巻き起こしましたが、ジョイスの代表作の一つとして高く評価されています。