## ワトソンの行動主義の観点からの普遍性
ワトソンの行動主義における人間の普遍性
ジョン・B・ワトソンは、20世紀初頭に心理学に革命を起こした行動主義学派の創始者として知られています。彼は、人間の行動はすべて、学習と環境の影響によって説明できると主張しました。この考え方は、人間の精神や意識といった、直接観察できないものを研究対象とする従来の心理学とは一線を画すものでした。
普遍性を支える学習のメカニズム：古典的条件付けとオペラント条件付け
ワトソンは、人間の行動の普遍性を説明するために、古典的条件付けとオペラント条件付けという二つの主要な学習メカニズムを提唱しました。
古典的条件付けは、イワン・パブロフの犬の実験で有名になったように、特定の刺激と反応の結びつきによって学習が成立するというものです。ワトソンは、このメカニズムが人間にも当てはまり、恐怖症や嗜癖などの様々な行動を説明できると考えました。
一方、オペラント条件付けは、行動とその結果の結びつきによって学習が成立するというものです。行動に続く結果が快であればその行動は強化され、不快であればその行動は減弱されます。ワトソンは、このメカニズムによって、言語の習得や複雑な社会行動など、広範囲な人間の行動を説明できると考えました。
ワトソンの行動主義における環境の役割
ワトソンは、人間の行動を形成する上で、環境が遺伝よりもはるかに重要な役割を果たすと考えました。彼は、「私に12人の健康な赤ん坊を与えてください。私が選んだ方法で育てれば、その子たちを医者、弁護士、芸術家、商人、そしてもちろん、乞食や泥棒にもすることができるでしょう」という有名な言葉を残しています。この言葉は、人間の行動の可塑性と、環境の影響力の大きさを示すものとして知られています。
ワトソンの行動主義における文化の役割
ワトソンは、文化もまた、学習と環境の影響を通して形成されると考えました。文化は、特定の社会や集団に共通する行動パターン、価値観、信念体系であり、世代から世代へと受け継がれていきます。彼は、文化の違いは、異なる環境における学習の違いによって生じると説明しました。