## ワトソンの行動主義の観点からの技法
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古典的条件付け
ワトソンは、人間の行動は学習された反応であるという立場をとっていました。彼は、パブロフの犬の実験で示された古典的条件付けの原理を用いて、恐怖症などの感情的な反応を含む、あらゆる種類の行動を説明できると考えていました。
古典的条件付けは、生物が自然に反応を示さない刺激(条件刺激)に対して、自然に反応を示す刺激(無条件刺激)と繰り返し関連付けることで、学習された反応(条件反応)を獲得することを指します。
ワトソンとレイナーが行った有名な「アルバート坊や実験」では、生後9ヶ月の幼児アルバートに、白いラット(条件刺激)を見せると同時に、大きな音を立てる(無条件刺激)ことを繰り返しました。その結果、アルバートは白いラットを見ただけで恐怖反応(条件反応)を示すようになりました。
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脱感作
ワトソンは、古典的条件付けの原理を用いて、恐怖症などの望ましくない行動を消去することもできると考えていました。彼が提唱した脱感作法は、恐怖の対象を徐々に提示することで、恐怖反応を弱体化させることを目的としています。
例えば、高いところが怖い人の場合、まず高い建物の写真を見ることから始め、徐々に高い場所に近づいていくことで、恐怖反応を軽減することができます。
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行動主義の応用
ワトソンの行動主義は、心理学の研究分野だけでなく、教育、育児、広告など、幅広い分野に応用されています。
例えば、教育の分野では、望ましい行動を強化し、望ましくない行動を無視または罰することによって、子どもの学習を促進することができます。広告の分野では、製品を快い刺激と関連付けることによって、消費者の購買意欲を高めることができます。
ワトソンの行動主義は、人間の行動に対する理解を深め、さまざまな問題解決に貢献してきました。