ワイルドの獄中記の構成
構成
「獄中記」は大きく分けて以下の3つの部分から構成されています。
第1部 バラード・オブ・リーディング・ゴール(Reading Gaol Ballads)
獄中で出会った死刑囚チャールズ・トーマス・ウートンへの哀悼の辞として書かれた詩。全体は9つの節に分かれ、刑務所制度の過酷さや、それによって人間性が奪われていく様、そして死刑制度への疑問が歌われています。
第2部 獄中記(De Profundis)
恋人であったアルフレッド・ダグラス(ボジー)に宛てた長大な書簡という形式をとっています。ワイルドは、ボジーとの出会いから破滅に至るまでの日々を振り返りつつ、自身の芸術観や人生観を語ります。前半では、ボジーの浪費癖や傲慢な態度を厳しく糾弾しますが、後半では、ボジーへの愛と forgiveness(赦し)を表明しています。
第3部 獄中からの書簡
出獄後、ワイルドが友人や知人に宛てた手紙をまとめたもの。獄中での生活や心境、そして未来への希望などが綴られています。