## ロックの政府論のメカニズム
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自然状態
ロックは、政府が存在しない「自然状態」をまず想定します。自然状態では、人々は「自然法」にのみ従います。自然法とは、神によって与えられた、生命、自由、財産に対する権利を守ることを内容とする、理性に基づいた法則です。
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自然状態における問題点
自然状態は、全ての人が平等で自由である理想的な状態のように思えます。しかし、現実には、全ての人が自然法を遵守するとは限りません。一部の人間は、自己の利益のために他者の権利を侵害することが考えられます。
自然状態には、以下のような問題点があります。
1. **客観的な法の解釈者や執行者が存在しない**: 自然法は人々の理性によって解釈されますが、理性は主観的なものです。そのため、法の解釈をめぐって争いが生じる可能性があります。また、仮に法の解釈で合意できたとしても、それを執行する者が存在しないため、権利侵害を抑止することは困難です。
2. **共通の裁判官が存在しない**: 権利侵害が発生した場合、被害者は自分で復讐を行うしかありません。しかし、感情的な復讐は過剰なものとなりやすく、新たな争いを生み出す可能性があります。
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政治社会の形成と政府の役割
自然状態における問題を解決するために、人々は「社会契約」によって政治社会を形成し、政府を設立します。政府の役割は、自然法を成文化し、その解釈と執行を公正に行うことです。具体的には、立法権、司法権、行政権という三つの権力を持ち、これらを通じて人々の生命、自由、財産を保護します。
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政府への権力の委譲と抵抗権
人々は政治社会を形成する際に、政府に対して一定の権利を委譲します。しかし、この委譲は絶対的なものではなく、政府がその権力を濫用し、人々の権利を侵害する場合には、人々は政府に抵抗する権利を有するとされます。これがロックの抵抗権論です。
ロックは、以上のようなメカニズムで政府のあり方を論じました。
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