ロックの寛容についての書簡の関連著作
スピノザ「神学・政治論」
(1670年)
ロックの『寛容についての書簡』とスピノザの『神学・政治論』は、ともに17世紀後半のヨーロッパにおける宗教的寛容の必要性を訴えた重要な著作です。
スピノザは『神学・政治論』において、聖書の字句通りの解釈を批判し、理性に基づいた宗教解釈を主張しました。彼は、国家の目的は個人の自由と安全を保障することであるとし、宗教的な教義の違いによって個人が抑圧されるべきではないと論じました。
また、スピノザは表現の自由の重要性を強調し、政府による検閲を批判しました。彼は、自由な議論こそが真理に到達するために不可欠であると考えました。
ピエール・ベール「歴史批評辞典」
(1697年)
フランスの学者ピエール・ベールは、聖書の伝統的な解釈に疑問を呈し、歴史的・批判的な分析を重視しました。 ベールの『歴史批評辞典』は、聖書の記述に矛盾や不一致があることを指摘し、聖書の権威を絶対視することに異議を唱えました。
ベールは、理性と経験に基づいた宗教理解を提唱し、盲目的な信仰を批判しました。彼の著作は、啓蒙主義時代の合理主義的な思想に影響を与え、宗教的寛容の思想を育む土壌を築きました。
ジョン・ミルトン「言論・出版の自由アエロパギティカ」
(1644年)
ミルトンの『言論・出版の自由アエロパギティカ』は、出版物の事前検閲に反対する論説として発表されました。ミルトンは、真理は自由な議論を通じてのみ発見されると主張し、政府による思想統制を強く批判しました。
彼は、たとえ異端的な意見であっても、自由に表現されるべきだと論じました。ミルトンの思想は、表現の自由の重要性を認識させ、ロックの寛容論にも影響を与えたと考えられています。