ロックの人間知性論から得られるもの
ロックの経験論
ジョン・ロックは、17世紀のイギリス経験論の代表的な哲学者であり、主著『人間知性論』において、人間のあらゆる知識は経験に由来すると主張しました。ロックは、我々が生まれながらにして持っているとする生得的な観念を否定し、白紙の状態の心を仮定しました。そして、感覚を通して外界から単純観念を得、さらに、反省を通して心自身の働きから観念を得るとしました。
単純観念と複雑観念
ロックは、経験から得られる観念を、単純観念と複雑観念に区別しました。単純観念は、それ以上分解できない基本的な観念であり、例えば、赤色、甘味、硬さなどが挙げられます。複雑観念は、複数の単純観念が結合して構成されるものであり、例えば、リンゴ、犬、正義などが挙げられます。
知識の分類
ロックは、知識を直感的知識、実証的知識、観念的知識の3種類に分類しました。直感的知識は、明白で直接的に捉えられる知識であり、例えば、「私は存在する」というような命題に関する知識が挙げられます。実証的知識は、感覚経験に基づいて得られる知識であり、例えば、「このリンゴは赤い」というような命題に関する知識が挙げられます。観念的知識は、既に持っている観念同士の関係について考察することによって得られる知識であり、例えば、「三角形の内角の和は180度である」というような命題に関する知識が挙げられます。
言語の役割
ロックは、言語を思考の道具として捉え、コミュニケーションにおける重要性を論じました。彼は、単語が観念を表す記号として機能すると考え、単語の定義や意味の明確化を重視しました。また、言語の誤用や曖昧さが、思考の混乱や誤解を生む可能性を指摘しました。
Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。