ロストフツェフのヘレニズム世界社会経済史の面白さ
古代世界を覆す斬新な視点：都市と経済
従来の古代史研究では、政治史や思想史、文学史などが主要なテーマとされてきました。しかし、ロストフツェフは従来の研究とは異なり、古代社会を理解する上で「経済」という視点が不可欠であることを提唱しました。
ギリシア文化の「拡散」ではなく「変容」
従来の研究では、アレクサンドロス大王の東方遠征以降のヘレニズム時代は、ギリシア文化がオリエント世界に一方的に伝播した「文化の拡散」という見方が一般的でした。しかし、ロストフツェフは、ギリシア文化とオリエント文化の相互の影響を重視し、ヘレニズム文化を「新しい総合文化」として捉え直しました。
膨大な史料の駆使と緻密な分析
ロストフツェフは、碑文、パピルス文書、貨幣など、従来軽視されてきた考古学的史料を積極的に活用しました。そして、それらの史料を、当時の社会構造や経済状況を理解するための重要な手がかりとして、緻密に分析しました。
歴史学と社会科学の融合
ロストフツェフは、歴史学の枠組みにとらわれず、経済学、社会学、人類学など、社会科学の方法論も積極的に導入しました。これは、古代社会をより多角的に分析しようとする、彼の先駆的な姿勢を示しています。
Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。