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ロストフツェフのヘレニズム世界社会経済史の関連著作

## ロストフツェフのヘレニズム世界社会経済史の関連著作

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古代経済史

**M・I・フィンレー著, 渡辺金一訳, 『古代ギリシア世界経済史』, 岩波書店, 1985年**

本書は、古代ギリシア世界における経済活動の実態を、文献資料と考古学的資料を駆使して解明しようとしたフィンレーの主著です。ロストフツェフが重視した「近代資本主義経済との類似性」という視点ではなく、古代社会特有の経済構造や価値観を明らかにしようとした点に特徴があります。

具体的には、古代ギリシアにおける農業、商業、手工業、金融などの各分野における活動の実態、貨幣経済の発展と限界、奴隷制と経済の関係などを分析し、古代ギリシア経済を「市場経済」ではなく、「消費者都市中心の経済」として規定しています。

ロストフツェフのヘレニズム世界社会経済史と比較すると、フィンレーは古代経済における国家や政治の影響力、社会構造と経済活動の関連性などをより重視しており、経済現象をより広い歴史的文脈の中で捉えようとする姿勢が顕著です。

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ヘレニズム世界史

**F・W・ウォルバンク著, 城江良和訳, 『ヘレニズム世界』, 京都大学学術出版会, 2006年**

本書は、アレクサンドロス大王の東方遠征からローマによるエジプト支配開始までの約300年間を対象とした、ヘレニズム世界の通史です。政治史だけでなく、社会、経済、文化、宗教など幅広い側面からヘレニズム世界を描き出しており、ヘレニズム世界史研究の到達点を示す monumental な著作として評価されています。

特に、ロストフツェフが重視したギリシア文化の東方への伝播だけでなく、オリエント文化との融合や相克についても詳しく論じている点が特徴です。また、ヘレニズム時代の社会構造や経済活動、都市と農村の関係、王権のあり方などについても考察を深めており、多角的な視点からヘレニズム世界を理解することができます。

ロストフツェフのヘレニズム世界社会経済史が主に社会経済史に焦点を当てているのに対し、本書はより包括的な歴史書として位置づけられます。

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