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レーニンの帝国主義論の話法

## レーニンの帝国主義論の話法

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豊富な統計データと史実の引用

レーニンの『帝国主義論』の特徴の一つに、その論証の基盤として膨大な統計データや歴史的事実が用いられていることが挙げられます。彼は、自らの主張を裏付けるために、当時の資本主義列強における生産量、貿易額、植民地支配の状況、銀行の合併、資本の集中などの具体的な数値を豊富に提示しています。

例えば、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのドイツ、イギリス、フランスなどの主要資本主義国の工業生産高や対外投資額の推移を示すことで、資本主義が必然的に国際的な競争と対立を生み出す構造を持っていることを論証しています。また、植民地獲得競争や国際的なカルテル形成などの歴史的事実を例示することで、帝国主義が資本主義発展の必然的な帰結であると主張しています。

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マルクス経済学の理論に基づく分析

レーニンは、マルクスの資本論を理論的な枠組みとして用い、帝国主義を資本主義の 発展段階として位置づけています。彼は、資本主義における資本蓄積の法則、資本の集中と集中化の法則、利潤率の低下傾向の法則などを論拠に、資本主義が必然的に帝国主義へと移行すると論じています。

具体的には、資本主義経済における競争の激化と利潤率の低下によって、資本家は国内市場ではもはや十分な利潤を得ることが困難になると指摘します。その結果、資本家は新たな投資先や市場を求めて海外進出を加速させ、植民地獲得競争や国際的な対立を引き起こすと分析しています。

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鋭い論敵批判と polemics (論争術) の駆使

レーニンの『帝国主義論』は、カウツキーに代表される当時の修正主義や、帝国主義を単なる政策として捉える見解に対する痛烈な批判を展開している点も特徴です。レーニンは、彼らの主張を「ブルジョアジーのための弁明」と断じ、帝国主義の本質を覆い隠していると批判しています。

その批判は、時に皮肉や風刺を交えながら、鋭く論敵の論理の矛盾を突くものでした。このような polemical な手法を用いることで、レーニンは自らの主張をより際立たせ、読者に強い印象を与えています。

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