レーニンの帝国主義論の位置づけ
レーニンの時代背景
レーニンは1870年に生まれ、1924年に亡くなったロシアの革命家、政治家、思想家です。レーニンの生涯は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての激動の時代と重なります。この時期、資本主義は世界中に広がり、生産力は飛躍的に向上しました。一方で、資本主義の矛盾も顕在化し、資本家と労働者の対立は深刻化していきました。また、列強諸国による植民地獲得競争は激化し、国際関係は緊張状態にありました。レーニンは、このような時代背景の中で、マルクス主義の立場から、資本主義の分析と社会主義革命の理論を展開しました。
レーニンの帝国主義論
レーニンは、1916年に出版した『帝国主義論』の中で、帝国主義を「資本主義の最高の段階」と規定しました。レーニンによれば、資本主義は発展の過程で、生産と資本の集中が進み、独占資本主義の段階に至ります。独占資本主義のもとでは、少数の巨大企業が市場を支配し、莫大な利潤を上げます。しかし、国内市場だけでは、この莫大な利潤を吸収しきれなくなるため、資本は海外へと進出していきます。そして、列強諸国は、原料の供給地や商品の販売市場を確保するために、植民地獲得競争を繰り広げるようになります。これが、帝国主義の正体であるとレーニンは論じました。
レーニンの帝国主義論の特徴
レーニンの帝国主義論は、マルクスの資本論を継承し、発展させたものとして位置づけられます。レーニンは、マルクスの分析を当時の状況に適用することで、帝国主義の本質を明らかにしようとしました。レーニンの帝国主義論の特徴としては、以下の点が挙げられます。
* 帝国主義を資本主義の発展段階として捉えている点
* 帝国主義の経済的側面を重視し、独占資本主義との関連性を明らかにした点
* 帝国主義を、資本主義の必然的な帰結として捉え、その崩壊を予見した点
レーニンの帝国主義論の影響
レーニンの帝国主義論は、20世紀の社会主義運動に大きな影響を与えました。特に、植民地支配を受けていたアジア・アフリカ諸国の民族解放運動に大きな影響を与え、多くの革命家や活動家に影響を与えました。レーニンの帝国主義論は、資本主義の矛盾を鋭く指摘し、その克服の道を示したという点で、現代においても重要な意義を持っていると言えます。
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