## ルソーのエミールの感性
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自然的感覚の重視
ルソーは、人間が生まれながらに持っている「自然的感覚」を非常に重視しました。理性や社会的な偏見に染まる前の、純粋で自然な感情こそが、人間を幸福へと導くと考えたのです。
エミールにおいても、この自然的感覚を育む教育が重要視されています。
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五感を活かした教育
エミールでは、自然の中で五感をフルに使い、直接体験を通して学ぶことを重視しています。
例えば、物の大きさや形、距離などは、実際に見て、触れて、感じ取ることで、より深く理解できると考えました。
書物による知識偏重の教育ではなく、体験を通して、子供自身が自然と世界を理解していくことを目指したのです。
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感情教育の重要性
ルソーは、理性だけでなく、情操や情緒といった感情を育むことの重要性を説いています。
エミールでは、自然の中で様々な感情を経験することで、道徳心や共感力、美的感覚といった豊かな感性を育むことを目指しています。
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消極的な教育
ルソーは、子供の自由な発達を妨げるような、押し付けの教育を否定しました。
教師は、直接的な指導を避け、子供が自発的に学びたくなるような環境を用意し、子供の興味や好奇心を刺激する役割を担います。
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自然と一体となる感性
ルソーは、自然と人間は本来一体であり、自然と触れ合うことで、人間は本来の純粋な感性を取り戻せると考えました。
エミールは、自然の中で生活することで、自然と一体となる感覚を養い、生命の尊さや自然の美しさを感じ取る感性を育んでいきます。