## リストの政治経済学の国民的体系の面白さ
### 1841年に出版されたフリードリヒ・リストの主著「国民経済学の国民的体系」は、当時支配的であったアダム・スミスの自由貿易論に真っ向から異議を唱え、国家による保護の下での工業化を主張した点で画期的でした。
### リストの主張の面白さは、経済学の議論を超えて、国家の役割や発展途上国の戦略といった現代的な問題にも通じる点にあります。
### リストは、一国経済を「国民経済」として捉え、その発展段階に最適な政策があると主張しました。
### 彼は、イギリスのようにすでに工業化を達成した国家は自由貿易の恩恵を受けられるが、ドイツのような後発国は、国内産業を保護し育成するために保護貿易政策が必要であると説きました。
### リストは、自由競争はあくまでも理想であり、現実には、イギリスのようにすでに優位に立っている国家が、自由貿易の名の下に後発国の発展を阻害する可能性があると批判しました。
### また、リストは、国家が教育やインフラ整備に積極的に投資することで、国民経済の生産力を向上させることができると主張しました。
### 彼は、自由放任主義的な経済政策では、国家の長期的な発展は望めないと考え、国家による積極的な介入の必要性を訴えました。
### リストの主張は、19世紀後半のドイツやアメリカ、そして現代の多くの新興国における工業化政策に大きな影響を与えました。
### 彼の著書は、経済学の歴史においても重要な位置を占めており、今日でも、グローバリゼーションや国家の役割を考える上で示唆に富む内容を含んでいます。
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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。