Skip to content Skip to footer

ラートブルフの法哲学から得られるもの

## ラートブルフの法哲学から得られるもの

###

法の相対性と価値判断

ラートブルフは、法実証主義が支配的であった時代に、法と道徳の不可分性を主張したことで知られています。彼は、法は単なる形式的なものではなく、背後にある価値判断に基づくものであると説きました。

彼の代表作「法の不法化と法の超克」では、ナチス政権下における法の歪みを目の当たりにした経験から、法の相対性と限界について考察しています。当時のドイツでは、形式的には合法的な手続きを経て制定された法律が、ユダヤ人への迫害など非人道的な行為を正当化するために利用されました。

ラートブルフは、このような状況を「法の不法化」と呼び、法が本来持つべき正義や道徳から逸脱してしまう危険性を指摘しました。彼は、法は常にその内容によって判断されるべきであり、たとえ形式的に妥当であっても、それが正義に反するものであれば、真の法としては認められないと主張しました。

###

法の超克と自然法

では、法が正義から逸脱した場合、どのように対処すべきなのでしょうか?ラートブルフは、このような極限状況においては、「法の超克」、つまり不正義な法に抵抗する権利が認められるとしました。

彼は、人間の尊厳や自由といった普遍的な価値観に基づく「超法的法」の存在を認め、これが不正義な法に抵抗する根拠となると考えました。これは、法の根底には、時代や社会を超越した普遍的な正義の基準が存在するという、自然法的な思想に基づくものです。

###

現代社会への示唆

ラートブルフの法哲学は、現代社会においても重要な示唆を与えてくれます。現代社会は、グローバリゼーションや情報技術の発展など、かつてない変化に直面しており、それに伴い、法システムも複雑化しています。

このような状況下では、法の形式的な側面ばかりを重視するのではなく、その背後にある価値判断や倫理的な問題に目を向けることが重要になります。ラートブルフの思想は、私たちが法と向き合う際に、常にその正義と倫理性を問い続けることの重要性を教えてくれます。

Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

Leave a comment

0.0/5