## ラ・ロシュフーコーの箴言録の選択
箴言6
“自分の欠点について他人が抱く意見ほど、我慢しにくいものはない。”
この箴言は、人間が本質的に自己中心的であり、自己防衛的であることを鋭く指摘しています。私たちは自分の欠点を認めたくないため、他人がそれを指摘すると、不快感や反発を感じます。これは、自己愛が傷つけられることへの恐れや、自分のイメージを守るための自己防衛本能によるものと考えられます。
箴言27
“われわれが愛するのをやめるほうが、われわれが愛されているのをやめるほうが、まだしも耐えやすい。”
この箴言は、愛する喜びよりも、愛される喜びに執着する人間の弱さを浮き彫りにしています。愛を失うことは確かに苦痛ですが、愛する心を失い、もはや誰かを深く愛することができなくなることは、さらに深い絶望と空虚感をもたらすという洞察を示しています。
箴言102
“利害はほとんど常にわれわれがなすべきことを教えてくれるばかりでなく、われわれがしたいと思うことまで教えてくれる。”
この箴言は、人間の行動における利己主義と自己欺瞞の力について述べています。私たちは自分の行動を正当化するために、道徳や理性的な理由付けを用いることがありますが、実際には、背後にある動機はしばしば個人的な利益であると指摘しています。利害は、私たちの思考や感情を歪め、真実を見えなくしてしまうことがあるのです。