Skip to content Skip to footer

ラ・ロシュフーコーの箴言録の表象

## ラ・ロシュフーコーの箴言録の表象

箴言集という形式

「箴言録」は、全504条から成る箴言集という形式をとっています。 各箴言は独立しており、番号が振られています。これは、体系的な思想を展開するというよりも、人間の行動や心理に関する鋭い観察を断片的に提示することを目的としているためと考えられます。読者は、自身の経験や考察と照らし合わせながら、箴言の一つ一つと対峙していくことを促されます。

簡潔で鋭い表現

ラ・ロシュフーコーは、無駄を削ぎ落とした簡潔で力強い文で箴言を記しています。皮肉や逆説を効果的に用いることで、人間の虚栄や利己心といった本質を鋭く突く表現が特徴です。そのため、読者は、箴言の背後に隠された深い意味を考えさせられ、独自の解釈を深めていくことになります。

自己愛(アムール=プロプル)を基底とした人間観

「箴言録」全体を貫く主題は、人間の行動の根底には「自己愛(アムール=プロプル)」があるというものです。名誉心や友情、愛情といった高尚に見える感情さえも、突き詰めれば自己愛の変形に過ぎないとラ・ロシュフーコーは看破します。

宮廷社会の観察

ラ・ロシュフーコー自身がルイ14世の宮廷で生活していた経験から、「箴言録」には、当時の貴族社会の習慣や人間模様が色濃く反映されています。上流階級の人々の言動を冷静に観察し、その虚飾や欺瞞を暴いています。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5