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ラ・ロシュフーコーの箴言録の対極

## ラ・ロシュフーコーの箴言録の対極

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ジャン・ジャック・ルソー『人間不平等起源論』

ラ・ロシュフーコーの『箴言録』が、人間の行動の根底には利己心や虚栄心があると喝破し、シニカルな視点で人間性を描いたのに対し、ルソーの『人間不平等起源論』は、人間は本来善であり、社会制度や文明によって腐敗させられたと主張します。

『人間不平等起源論』の中で、ルソーは「自然状態」という概念を用いて、文明以前の人間は、自己愛と他者への憐れみの情を持ち合わせており、争いも支配欲もない平和な状態で生きていたと論じます。しかし、私有財産の出現と共に、人間は競争、嫉妬、不平等に苦しむようになり、社会契約によって国家が形成された後も、その不平等は固定化されてしまったと批判します。

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老子『老子』

『箴言録』が、宮廷社会における人間観察を基に、複雑な人間心理を鋭く分析しているのに対し、『老子』は、自然の摂理に従い、無為の境地で生きることを理想としています。

『老子』は、万物の根源である「道」という概念を説き、人間は「道」に従って自然に生きることが重要だと説きます。 知恵や欲望を捨て、名誉や富を求めないことこそが、真の幸福に繋がるという思想は、『箴言録』で描かれるような、打算や欲望に翻弄される人間像とは対照的です。

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ウィリアム・ブレイク『無心の歌』『経験の歌』

『箴言録』が、経験に基づいた現実的な人間観を示しているのに対し、ブレイクの詩集『無心の歌』『経験の歌』は、対照的な人間の二面性を歌い上げます。『無心の歌』は、子供の純粋な心、自然との一体感、神への愛を歌い、楽観的な世界観を表現しています。

一方、『経験の歌』では、社会の不条理、人間の残酷さ、抑圧による苦悩が歌われ、現実社会の暗部を鋭くえぐります。ブレイクは、『箴言録』のように人間の本質を断定するのではなく、純粋さと経験の間で揺れ動く人間の複雑さを詩を通して表現しました。

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