ラシーヌのブリタニクスが関係する学問
歴史学
ラシーヌの『ブリタニクス』は、ローマ皇帝クラウディウスの死後、ネロが権力の座につくまでの宮廷闘争を描いた作品です。劇中で描かれる出来事や登場人物は、史実を基にしています。
例えば、ブリタニクス、ネロ、アグリッピナ、ネロの家庭教師セネカといった登場人物は、いずれも実在した歴史上の人物です。ラシーヌは、これらの歴史上の人物を登場人物として設定し、史実に基づいた物語を展開しています。
ただし、ラシーヌは史実を忠実に再現することに重点を置いていたわけではありません。登場人物の性格や関係性、劇中の出来事など、史実とは異なる部分も含まれています。
文学
『ブリタニクス』は、17世紀フランス古典主義を代表する劇作家、ジャン・ラシーヌの作品です。ラシーヌは古代ギリシャの悲劇の影響を強く受け、運命に翻弄される人間の姿を、格調高い詩的な言語で描きました。
『ブリタニクス』においても、権力への野心、愛憎、嫉妬といった人間の根源的な感情が、登場人物たちの運命を悲劇へと導いていきます。ラシーヌは、登場人物たちの葛藤や苦悩を、繊細な心理描写と力強い韻文で表現しています。
政治学
『ブリタニクス』は、権力闘争や政治的陰謀をテーマとした作品でもあります。ネロが権力を掌握していく過程や、それを阻止しようとする人々の思惑が交錯する様子は、政治の複雑さや残酷さを浮き彫りにしています。
劇中で描かれる権力者の孤独、権力闘争の犠牲となる人々の姿は、現代社会にも通じる普遍的なテーマと言えるでしょう。