## ラシーヌのアンドロマックを読んだ後に読むべき本
エウリピデス作 アンドロマケ
ラシーヌの『アンドロマック』は、ギリシャの悲劇詩人エウリピデスの同名の戯曲から着想を得ています。エウリピデスのバージョンを読むことで、ラシーヌが古代ギリシャの素材をどのように解釈し、フランス古典主義の文脈に適応させたのかをより深く理解することができます。
エウリピデスの『アンドロマケ』は、トロイア戦争後のアンドロマケの運命を描いています。夫ヘクトルを失ったアンドロマケは、ギリシャの将軍ネオプトレモスに戦利品として与えられ、彼の息子を産みます。しかし、ネオプトレモスの妻ヘルミオネーの嫉妬と復讐心によって、アンドロマケは再び悲劇に見舞われます。
ラシーヌはエウリピデスの作品を基にしながらも、登場人物の心理描写を深め、愛と義務、復讐と許しという普遍的なテーマを探求しています。特に、アンドロマケの悲劇的な運命と、愛する息子への母性愛を鮮やかに描き出しています。
エウリピデスの『アンドロマケ』を読むことで、ラシーヌの作品の源泉に触れるだけでなく、古代ギリシャの悲劇とフランス古典主義の演劇の共通点と相違点を見出すことができるでしょう。これは、両方の作品への理解を深め、より豊かに鑑賞するための一つの道となるはずです。