## ユークリッドの原論を読む
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古代ギリシャから現代まで続く数学の基礎
「ユークリッド原論」は約2300年前、古代ギリシャの数学者ユークリッドによって著されました。全13巻からなり、平面幾何学、数論、立体幾何学など、幅広い数学的知識を体系的にまとめた書物です。特徴的なのは、少数の定義、公準、公理から出発し、論理的な推論のみによって多くの定理を導き出している点です。これは現代数学においても重視される厳密な証明方法の先駆けといえます。
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現代数学との違いに注意
「原論」を読む上で注意すべき点は、現代の数学とは表現や記号体系が異なることです。例えば、現代では当たり前に用いられる代数学的な記号は「原論」では登場しません。図形を用いた幾何学的な証明が中心となるため、現代数学に慣れた読者にとっては理解に時間を要する部分もあるでしょう。
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様々な版の存在
「原論」は古代から現代に至るまで、幾度となく筆写、翻訳、出版が繰り返されてきました。そのため、現在私たちが手にすることができる「原論」には、様々な版が存在します。版によって内容や解釈に差異がある場合もあるため、参照する際にはどの版を用いているかを意識することが重要です。