## ユスティニアヌスのローマ法大全の翻訳
ローマ法大全の翻訳の背景
6世紀、東ローマ帝国皇帝ユスティニアヌス1世は、古代ローマの膨大な法体系を編纂し、体系化することを命じました。この編纂事業の結果として誕生したのが「ローマ法大全」であり、ラテン語で書かれたこの法典は、その後の中世・近代ヨーロッパの法に多大な影響を与えることになります。
ローマ法大全の内容と構成
ローマ法大全は、「学説彙纂」「勅法彙纂」「新勅法」の3つの部分から構成されています。
* **学説彙纂(Digesta):**古代ローマの著名な法学者たちの著作から抜粋・編集したもので、全50巻からなります。
* **勅法彙纂(Codex):**ローマ帝国歴代皇帝が発布した勅令を年代順に収録したもので、全12巻からなります。
* **新勅法(Novellae):**ユスティニアヌス自身が発布した勅令を集めたものです。
ローマ法大全の翻訳の意義
ローマ法大全は、ローマ法の集大成として、西洋法の基礎を築きました。しかし、その内容は膨大かつ難解であり、原文であるラテン語の知識なしに理解することは困難でした。そこで、様々な言語への翻訳が不可欠となりました。
ローマ法大全の翻訳の歴史
ローマ法大全の翻訳は、その成立直後から行われてきました。当初は、東ローマ帝国領内でのギリシャ語訳が中心でしたが、その後、西ヨーロッパにおいても、ラテン語からの翻訳が盛んに行われるようになりました。
ローマ法大全の翻訳の課題
ローマ法大全の翻訳は、単なる言語の置き換えではなく、古代ローマの法文化や社会背景に対する深い理解が求められます。そのため、翻訳者は、原文の正確な解釈に加え、法解釈学、歴史学、言語学など、多岐にわたる分野の知識を必要としました。