ユスティニアヌスのローマ法大全に匹敵する本
ハムラビ法典
紀元前1750年頃に制定されたハムラビ法典は、現存する最古の法典の一つであり、古代メソポタミアにおける法と社会の理解に貴重な洞察を提供しています。 楔形文字で記されたこの法典は、石碑に刻まれ、公共の場に設置され、人々が法の内容を理解できるようにされました。
ハムラビ法典は、家族法、財産法、刑法など、広範な問題を扱っており、それぞれの犯罪に対する具体的な罰則を規定しています。「目には目を、歯には歯を」という報復の原則でよく知られていますが、法典は社会的地位に基づいて罰則が異なることも示しています。
ローマ法大全と同様に、ハムラビ法典は、その後の法律制度の形成に大きな影響を与え、法の編纂と体系化の先例となりました。
マヌ法典
紀元前200年から紀元後200年の間に編纂されたとされるマヌ法典は、ヒンドゥー教におけるダルマ（道徳的義務）の重要な経典です。サンスクリット語で書かれたこの法典は、古代インドの社会構造、道徳、法律を包括的に解説しています。
マヌ法典は、ヴァルナ（カースト）制度、男女の役割、人生の四段階（学生、家長、隠遁者、遊行者）など、ヒンドゥー教の社会倫理の中核となる概念を規定しています。 また、結婚、相続、契約、犯罪と罰など、幅広い法的問題についても扱っています。
マヌ法典は、何世紀にもわたってインド亜大陸の法律、社会、文化に多大な影響を与え、ヒンドゥー教の生活様式を形成する上で重要な役割を果たしてきました。
大憲章
1215年にイングランド王ジョンによって署名された大憲章は、国王の権力を制限し、個人の権利を保障した文書として、西欧の法史において画期的な出来事となりました。
大憲章は、国王といえども法を超越することはできず、すべての人は法の平等な保護を受ける権利を有することを宣言しています。 特に、不当な投獄、財産没収、法の適正手続きなしの処罰を禁じています。
大憲章は、法の支配、人権、立憲主義の概念の発展に大きな影響を与え、世界中の多くの国々の憲法や法律制度の基礎となりました。