モームの月と六ペンスの関連著作
ゴーギャン:ノア・ノア
「月と六ペンス」の主人公ストリックランドは、フランスの後期印象派の画家、ポール・ゴーギャンから着想を得ています。ゴーギャンは、西洋の物質主義と伝統的な芸術観を捨て、タヒチに移り住み、そこで独自のスタイルの絵画を追求しました。「ノア・ノア」は、ゴーギャン自身がタヒチでの生活を綴った記録であり、「月と六ペンス」と同様に、西洋文明への批判と、プリミティブな文化への憧憬が色濃く反映されています。
ニーチェ:ツァラトゥストラはかく語りき
ニーチェは、19世紀後半のドイツの哲学者で、従来の道徳や価値観を転倒させ、「超人」という新しい人間像を提唱しました。「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ニーチェの思想を寓話形式で表現した作品で、その中で「超人」は、大衆の常識や道徳にとにとらわれず、自らの意志と創造性によって生きる存在として描かれています。ストリックランドの生き様は、ニーチェの「超人」の概念と共通する部分があり、彼の芸術への情熱と、それ以外のすべてを犠牲にする覚悟は、「超人」の生き方を彷彿とさせます。