## モリエールのタルチュフの構成
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登場人物
* **オルゴン**: 裕福なブルジョワであり、タルチュフに心酔している。
* **エルミール**: オルゴンの妻。
* **ダミス**: オルゴンの息子。タルチュフの偽善を見抜いている。
* **マリアンヌ**: オルゴンの娘。ダミスの友人のヴァレールと相思相愛。
* **タルチュフ**: 聖職者を装う詐欺師。オルゴンの信頼を得て、彼の財産と家族を乗っ取ろうとする。
* **ドリーヌ**: マリアンヌの侍女。機転が利き、タルチュフの企みを阻止しようと奮闘する。
* **クログ**: オルゴンの使用人。
* **ムッシュー・ロワイヤル**: 借金の取り立て屋。
* **警官**: タルチュフ逮捕のためにオルゴン邸を訪れる。
* **フリップ**: タルチュフの召使い。
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構成
モリエールの「タルチュフ」は、全5幕構成の韻文喜劇である。
**第1幕**: タルチュフ不在の中、登場人物たちの会話によって、タルチュフの偽善的な振る舞いや、オルゴン家の混乱が明らかになる。
**第2幕**: オルゴンが帰宅し、タルチュフへの盲信ぶりが露呈する。オルゴンは、タルチュフを婿に迎えるため、マリアンヌとヴァレールの結婚を破棄すると宣言する。
**第3幕**: オルゴンは、自分の財産をタルチュフに譲ると宣言する。さらに、エルミールを誘惑するタルチュフの姿を、オルゴン自身の目で目撃させるべく、ダミスが策略を巡らせる。
**第4幕**: テーブルの下に隠れていたオルゴンは、タルチュフの本性をついに見破る。しかし、タルチュフはすでにオルゴンの財産と家の権利書を手に入れており、オルゴン家を追い出そうとする。
**第5幕**: 窮地に陥ったオルゴン家だったが、国王の介入により、タルチュフは逮捕され、オルゴン家は救済される。
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特徴
* **登場人物の対比**: タルチュフの偽善と対比するように、ダミスやドリーヌなど、正直で正義感の強い登場人物が描かれている。
* **喜劇的な展開**: 深刻な状況ながらも、登場人物たちのやり取りや、タルチュフの滑稽な言動によって、笑いを誘う場面が随所に散りばめられている。
* **風刺**: 当時の宗教的偽善や、盲目的な信仰に対する痛烈な風刺が込められている。
* **韻文**: 韻を踏んだ軽快なセリフによって、テンポの良い会話劇が展開される。