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ミルトンの失楽園の話法

## ミルトンの失楽園の話法

叙事詩的文語と空白詩

ミルトンは『失楽園』において、古典的な叙事詩の伝統を受け継ぎ、 **空白詩** を用いています。空白詩とは、韻律を持たない無韻の五歩格詩であり、英語では弱強五歩格が一般的です。これは、古代ギリシャ・ローマの叙事詩であるホメーロスの『イーリアス』や『オデュッセイア』、ウェルギリウスの『アエネーイス』などで用いられた形式であり、格調高さや荘厳さを表現するのに適しています。

文語倒置法

ミルトンの文章は、17世紀の英語の文語で書かれており、現代英語とは異なる点がいくつかあります。特に特徴的なのは、語句の通常の語順を逆にする **倒置法** が頻繁に用いられていることです。これは、古典的な文語に倣ったものであり、文体に格調やリズム感を与える効果があります。

拡張シミリ

ミルトンは、比喩表現の一つである **拡張シミリ** を効果的に用いています。拡張シミリとは、短い直喩とは異なり、複数の語句を用いて、たとえとなる事物と本体となる事物を詳細に比較する表現手法です。ミルトンは、この拡張シミリを用いることで、壮大なイメージを読者に喚起し、抽象的な概念をより具体的に理解させます。

劇的独白

『失楽園』では、登場人物たちが自らの心情や思想を吐露する **劇的独白** が重要な役割を果たしています。特に、サタンの独白は、彼の複雑な心理や反逆の動機を理解する上で欠かせません。また、アダムとイブの独白は、人間の罪と罰、愛と誘惑といったテーマを浮き彫りにしています。これらの独白は、登場人物たちの内面世界を深く掘り下げ、物語に深みを与えています。

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