Skip to content Skip to footer

ミルトンの『復楽園』の構成

## ミルトンの『復楽園』の構成

###

叙事詩の構成

『復楽園』は、**12 巻**から成る**空白詩**で書かれた長編叙事詩です。これは、古典的な叙事詩に見られる構造を踏襲したものです。

###

各巻の内容

各巻はそれぞれ独立したテーマとプロットを持ちながらも、全体として一つの大きな物語を形成しています。

* **第1巻**: サタンとその堕天使たちが地獄に落とされる場面から物語が始まります。サタンは神の支配に反旗を翻し、人類を堕落させようと企てます。
* **第2巻**: 地獄会議が開かれ、サタンは人間界を探る使者を送り出すことを決めます。
* **第3巻**: 天国では、神の子であるキリストが人類の罪を償うことを宣言します。
* **第4巻**: エデンの園で暮らすアダムとイヴが登場します。サタンは蛇に化けて彼らに近づき、禁断の果実を食べるように誘惑します。
* **第5巻**: アダムとイヴは夢の中で警告を受けますが、サタンの誘惑に負けてしまいます。
* **第6巻**: サタンの誘惑によって罪を犯したアダムとイヴは、エデンの園を追放されます。
* **第7巻**: 天使ラファエルがアダムに世界の創造について語ります。
* **第8巻**: アダムはラファエルに、イヴとの出会いについて語ります。
* **第9巻**: サタンの誘惑によってアダムとイヴは禁断の果実を食べ、楽園を追放されます。
* **第10巻**: アダムとイヴは自分たちの罪を悔い改め、神の赦しを請います。
* **第11巻**: 天使ミカエルがアダムに未来の世界について示します。
* **第12巻**: アダムとイヴはエデンの園を去り、人間としての新たな生活を始めます。

###

時間構成

『復楽園』は、時間軸が前後する複雑な構成となっています。 物語は、サタンが地獄に落とされた時点から始まりますが、その後、天地創造やアダムとイヴの創造など、過去の出来事が語られます。

###

語り手

物語は、全知全能の語り手によって語られます。 語り手は、登場人物の心情や思考、そして未来のことまでをも知り尽くしています。 時折、登場人物に語りかけたり、読者に語りかけたりすることもあります。

###

主題

『復楽園』は、**善と悪、自由意志と運命、罪と罰、贖罪と希望**など、普遍的なテーマを扱っています。 ミルトンは、これらのテーマを壮大なスケールで描き出すことによって、人間存在の本質に迫ろうとしました。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5