## マルクス/エンゲルスの共産党宣言からの学び
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階級闘争の歴史
「共産党宣言」は、歴史を階級闘争として捉える唯物史観の視点から書かれています。マルクスとエンゲルスは、歴史を通じて、所有階級と被所有階級の間には常に経済的な対立が存在してきたと主張します。
古代ローマでは、貴族と平民、中世では領主と農奴、そして近代社会ではブルジョアジーとプロレタリアートというように、それぞれの時代において支配的な生産手段を所有する階級と、所有しない階級が存在し、彼らは常に敵対的な関係にありました。
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資本主義の矛盾と崩壊
マルクスとエンゲルスは、資本主義を、生産手段の私的所有と自由競争を特徴とする経済システムとして分析しています。彼らは、資本主義が、生産力の著しい発展をもたらす一方で、内部に深刻な矛盾を抱えていると主張します。
資本主義の下では、労働者は自分が生産した商品の価値をすべて受け取ることができず、資本家に搾取されます。この搾取は、資本主義の利潤追求のメカニズムに根ざしており、労働者の貧困化と社会の不安定化をもたらすとされます。
さらに、資本主義は、過剰生産と市場の飽和による経済危機を繰り返すとされています。これらの危機は、資本主義システムの不安定さを露呈し、最終的にはその崩壊につながるとマルクスとエンゲルスは予測しました。
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プロレタリアートの役割と共産主義社会
「共産党宣言」は、資本主義の矛盾によって生み出されたプロレタリアートこそが、資本主義を打倒し、新しい社会を建設する役割を担うと主張します。
プロレタリアートは、資本主義社会において最も抑圧された階級ですが、同時に、社会全体の富を生産する階級でもあります。彼らは、組織化と階級意識を高めることを通じて、資本主義に立ち向かう力を獲得するとされます。
マルクスとエンゲルスは、プロレタリアートによる革命の結果として、生産手段の私的所有が廃止され、階級のない共産主義社会が到来すると予測しました。共産主義社会では、搾取や貧困は存在せず、すべての人が平等に労働し、その成果を分かち合うとされます。