## マルクス/エンゲルスのドイツ・イデオロギーの仕組み
マルクスとエンゲルスの共著として構想されたものの、未完に終わった「ドイツ・イデオロギー」は、唯物史観の観点から、当時のドイツ思想を批判的に分析した著作です。
その特徴的な仕組みは以下の点が挙げられます。
1. ドイツ観念論の批判
当時のドイツ思想界を席巻していたヘーゲル左派をはじめとする観念論に対して、マルクスとエンゲルスは痛烈な批判を加えています。彼らによれば、観念論は歴史や社会を理念や意識の反映として捉え、物質的な現実を軽視している点が問題です。
2. 唯物史観の提示
観念論への対置として提示されるのが、マルクスとエンゲルスが「歴史的唯物論」と呼ぶ唯物史観です。これは、社会の基盤を物質的な生産様式に求め、歴史の発展を生産力と生産関係の矛盾によって説明する考え方です。
具体的な社会の構成要素として、「ドイツ・イデオロギー」では以下のようなものを挙げています。
* 物質的生活関係
* 市民社会
* 国家
3. 分業の分析
マルクスとエンゲルスは、人間の意識や観念は物質的な生産活動と不可分であり、特に分業のあり方が人々の意識に大きな影響を与えると考えました。そして、資本主義社会における分業は、労働者を疎外し、階級対立を生み出す原因であると批判しています。
4. 共産主義への展望
「ドイツ・イデオロギー」では、資本主義社会における分業や私有財産を克服し、人間が自由に活動できる共産主義社会の実現が最終的な目標として掲げられています。
ただし、「ドイツ・イデオロギー」は未完の著作であるため、共産主義社会の具体的なあり方についての記述は限られています。
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