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マルクス・アウレリウスの自省録に影響を与えた本

マルクス・アウレリウスの自省録に影響を与えた本

エピクテトスの語録

ストア派哲学者であるエピクテトスの教えは、『自省録』に深い影響を与えており、マルクス・アウレリウス自身もエピクテトスの著作を頻繁に引用しています。エピクテトスの『語録』は、弟子アリアノスが師の講義内容をまとめたものであり、ストア哲学の実践的な側面、特に理性による感情の制御と運命への受容を強調しています。

『自省録』と『語録』の共通点は数多く見られます。どちらも、自己鍛錬、美徳の追求、そして外部環境ではなく自己の心構えの重要性を説いています。例えば、エピクテトスは「人間を不幸にするのは出来事そのものではなく、出来事に対する考え方である」と述べていますが、これはマルクス・アウレリウスの「我々を悩ますものは事物そのものではなく、事物に対する我々の判断である」という有名な言葉と酷似しています。

また、両者とも、理性に従って生きること、すなわち自然の秩序に調和した生き方をすることを重視しています。エピクテトスは、我々がコントロールできない外部の出来事よりも、自己の思考、感情、行動に焦点を当てるべきだと説いています。マルクス・アウレリウスも同様に、我々は常に理性に従って行動し、怒り、欲望、不安といった破壊的な感情に支配されないように努めるべきだと強調しています。

さらに、エピクテトスは、死や苦しみといった人生における避けられない側面に直面する際に、ストア哲学の教えがいかに心の平安をもたらすかを示しています。マルクス・アウレリウスもまた、『自省録』の中で、死への恐怖や喪失感といった普遍的な人間の経験にどのように向き合っていくかを探求しており、そこにはエピクテトスの影響が色濃く反映されています。

このように、『自省録』にはエピクテトスの思想が深く浸透しており、マルクス・アウレリウスの哲学的思考の形成に大きな影響を与えたことがうかがえます。

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