Skip to content Skip to footer

マイネッケの近代史における国家理性の理念の思考の枠組み

## マイネッケの近代史における国家理性の理念の思考の枠組み

###

歴史における個々の国家の個性と発展

マイネッケは、ヘーゲルの歴史観を批判的に継承しつつ、歴史における「個」の役割を重視しました。彼にとって歴史とは、個々の民族や国家が、それぞれ独自の「個性」をもち、その個性を発達させていく過程でした。そして、その個性を最もよく体現し、発展させる主体こそが「国家」であると考えたのです。

###

国家理性と国家の使命

マイネッケは、個々の国家が歴史の中で自らの「使命」を自覚していくプロセスを重視しました。彼が「国家理性(Staatsräson)」と呼ぶ概念は、各国家が歴史の中で直面する様々な問題に対して、その個性を生かして解決策を見出していく、いわば国家の「先見性」や「判断力」と言えるでしょう。

国家理性の内容は、それぞれの国家の置かれた状況や時代によって異なり、普遍的な法則や定義に還元できるものではありません。重要なのは、各国家が内外の状況を的確に把握し、その上で自国の個性に最適な選択を、歴史の「必然性」に従って行うことなのです。

###

力と道徳の相克

マイネッケは、国家が理性に基づいて行動するといっても、それは必ずしも道徳的に正しい選択をするということではないと主張しました。国家は、その存続と発展のために、時に「力」を用いた非情な決断を迫られることもあります。

彼はこれを「力と道徳の相克」と表現しました。国家理性の行使においては、常に力と道徳のせめぎ合いが存在し、国家はそのバランスを取りながら、最善の道を探っていかなければならないのです。

###

国際社会における国家理性

マイネッケは、個々の国家がそれぞれの国家理性に基づいて行動する以上、国家間の対立や摩擦は避けられないと考えていました。しかし同時に、彼は国家間の共存と協調の可能性も追求しました。

彼が重視したのは、各国家が互いの個性を尊重し、対話を通じて相互理解を深めていくことです。国家理性の行使は、自国の利益のみを追求する排他的なものではなく、国際社会全体の秩序と発展に貢献するものでなければならないと彼は考えたのです。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5