## マイイネッケの歴史主義の成立からの学び
###
歴史主義の成立過程
マイネッケは『歴史主義の成立』の中で、歴史主義が18世紀末から19世紀初頭にかけて、ドイツにおいて成立したことを示しました。これは、啓蒙主義的な普遍史観への批判から始まります。啓蒙主義は、理性に基づいた普遍的な歴史法則の存在を主張していました。しかし、 Herder などに代表される思想家たちは、個々の文化や民族の独自性を重視し、歴史を一元的な法則で説明することの限界を指摘しました。
###
個性の自覚と歴史認識
マイネッケは、歴史主義の成立背景には、「個性の自覚」があると指摘します。これは、宗教改革やルネサンスを経て、個人が自らの内面や独自性を意識するようになったことを意味します。この個性の意識は、国家や民族といった集団にも向けられ、それぞれが独自の価値や発展の道筋を持つことを認識させる契機となりました。
###
歴史研究における厳密性の重視
歴史主義は、単なる歴史への関心の高まりではなく、歴史研究における厳密性を重視する姿勢を生み出しました。 Ranke に代表される歴史家は、史料批判を通じて客観的な歴史記述を目指しました。彼らは、主観的な解釈や偏見を排し、過去の人々や出来事をありのままに理解しようと努めました。
###
歴史主義の限界
マイネッケは、歴史主義の功績を認めつつも、その限界も指摘しています。歴史主義は、客観的な歴史記述を目指しましたが、完全に客観性を達成することは不可能です。歴史家の問題関心や時代背景は、歴史解釈に影響を与えざるを得ません。また、歴史主義は、個々の事象の特殊性を重視するあまり、歴史全体を貫く法則や普遍性を軽視する傾向がありました。