ボルヘスのバベルの図書館の秘密
図書館の構造
物語は、広大で、おそらく無限の図書館の描写から始まります。 この図書館は、六角形の部屋が無限に続く迷宮のような構造をしています。 各部屋には、床から天井まで届く本棚が備え付けられており、 そこにはあらゆる可能な文字の組み合わせで書かれた書物が収められています。
書物の内容
図書館に所蔵されている書物は、25文字のアルファベット(a~z)、コンマ、ピリオド、空白のみを用いて書かれており、 あらゆる組み合わせが網羅されています。 その中には、既知のあらゆる言語で書かれた本、 過去の出来事や未来の出来事に関する真実と虚偽が入り混じった歴史書、 存在しない言語で書かれた本、 さらには意味不明な記号の羅列でしかない本も含まれています。
図書館員の探求
図書館員たちは、この膨大な情報の中から意味を見出そうと、 果てしない探求を続けています。 彼らは、「真の書物」や「総目録」が存在すると信じて、 図書館中を探し回っています。 「真の書物」とは、図書館の謎を解き明かす鍵となる書物であり、 「総目録」とは、図書館内のすべての本の目録のことです。 しかし、これらの探索は、ほとんどの場合、徒労に終わります。
秩序と混沌
図書館は、一見すると秩序だった構造をしていますが、 その実態は混沌としています。 あらゆる可能な書物が存在するため、 意味のある情報と無意味な情報が混在し、 真実は虚偽と区別がつかなくなっています。 図書館員たちは、この混沌とした空間の中で、 狂気に陥ったり、絶望したり、あるいは独自の信念に固執したりします。