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ホワイトヘッドの「観念の冒険」の思考の枠組み

## ホワイトヘッドの「観念の冒険」の思考の枠組み

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経験の哲学

ホワイトヘッドの哲学は、伝統的な形而上学に対する批判から出発し、経験を起点とした体系を構築しようとするものです。「観念の冒険」においても、彼は具体的な経験を重視し、そこから哲学的な概念を導き出そうと試みています。

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プロセスと関係性

ホワイトヘッドは、世界を静的な実体の集合体として捉えるのではなく、絶えず変化するプロセスと関係性のネットワークとして理解します。彼にとって、現実の基本的な構成要素は「現実的事項」(“actual entity”)と呼ばれるものであり、これは瞬間ごとに生じ、消滅する動的な存在です。

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prehension(把握)

現実的事項は、他の現実的事項との関係性の中で成立します。この関係性を、ホワイトヘッドは”prehension”(把握)と呼びます。prehensionとは、ある現実的事項が、他の現実的事項を自己の内に取り込み、構成要素とすることです。

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ネオプラトニズムの影響

ホワイトヘッドの哲学には、ネオプラトニズムの影響が色濃く見られます。特に、「永遠の客体」(“eternal object”)の概念は、プラトンのイデア論を彷彿とさせるものです。永遠の客体とは、現実的事項に共通する性質や関係性を抽象化したものであり、現実的世界に普遍性を与えるものです。

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神の概念

ホワイトヘッドは、伝統的な人格神を否定する一方、「抽象的な根拠としての神」という概念を提示します。彼にとって、神は永遠の客体の源泉であり、現実世界に秩序と新規性をもたらす超越的な存在です。

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