Skip to content Skip to footer

ホブスンの帝国主義論の案内

## ホブスンの帝国主義論の案内

###

ホブソンと彼の時代

ジョン・アトキンソン・ホブソン(1858-1940)は、イギリスの経済学者、ジャーナリスト、社会批評家でした。彼は、1902年に出版された著書『帝国主義論』で、帝国主義を鋭く批判したことで知られています。

###

『帝国主義論』の内容

ホブソンは、『帝国主義論』の中で、帝国主義の原因を経済的な側面から分析しました。彼は、当時の資本主義経済における過剰生産と過少消費の問題に着目し、これが帝国主義の根本的な原因であると主張しました。

ホブソンの議論は以下の3点に要約できます。

* **過剰貯蓄と過少消費:** 資本主義経済の発展は、富の偏在を生み出し、資本家階級は巨額の富を蓄積する一方で、労働者階級は低賃金に苦しんでいました。このため、社会全体としては需要が不足し、過剰な貯蓄が発生していました。
* **投資機会の不足:** 過剰な貯蓄は、国内では投資先を見つけられず、海外進出を余儀なくされました。
* **帝国主義による市場と資源の獲得:** 資本家たちは、植民地を新たな市場および資源供給源として利用することで、過剰生産と過少消費の問題を解決しようとしました。

ホブソンは、帝国主義がもたらす利益は、一部の資本家や特定の産業に限られる一方、大多数の人々にとっては不利益しかもたらさないと主張しました。彼は、帝国主義によって、植民地の人々は搾取され、本国においても軍国主義が台頭し、社会不安が増大すると批判しました。

###

ホブソンの影響

ホブソンの『帝国主義論』は、当時の社会主義者や反帝国主義運動に大きな影響を与えました。特に、レーニンの帝国主義論は、ホブソンの分析に多くを負っています。

ホブソンの著作は、今日でも帝国主義研究の古典として読み継がれており、彼の分析は、現代のグローバリズムや新自由主義経済における問題を考える上でも示唆に富むものです。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5